日本昔話にありそうな話作ってみた。「まっさおやま」
「まっさお山」
昔々、太郎という男がおりました。太郎の住む村には、昔から青い小山がありました。その小山はその見た目から「まっさお山」と呼ばれていました。
その青い小山では青いものばかりとれました。青い魚、青い清水、青いぶどうなど、村の者はその山で採れるものに支えられて、生きていました。
一方、太郎の住む村の隣の村には黄色い小山がありました。黄色い小山では、黄色いものばかり取れました。黄色いウサギ、黄色いシカなど、隣の村の者はその山で採れるものに支えられて、生きておりました。
ある日太郎は隣の村にそういう黄色い山があると聞いて、羨ましいと感じました。太郎の村のまっさお山では魚やぶどうはとれても、ウサギやシカはいないからです。
そこで太郎は考え、まっさお山と隣の村の黄色い山をくっつければ、色んなものが採れるようになるのではないかと思いつきました。
太郎の住む村の人たちも隣の村の人たちも賛同し、せっせとまっさお山と黄色い山を掘り返し、二つの小山を合わせて新しい山をつくりました。
その山はなんと緑色の山になり、その山には緑の木が生え、森ができて果実が実り、動物が住み、川が流れそこを魚がおよぐ、とっても豊かな山になりました。
太郎の村の人々も隣の村の人々も喜んで、その後は豊かに幸せに暮らしていきました。
しばらく経ったある日、隣の村のさらに隣の村に赤色の小山があると噂が流れてきました。赤色の小山では赤色のものばかりとれるそうでした。
太郎は考え、太郎たちの緑色の山と赤色の山をくっつければもっと色んなものが採れるようになるのではないかと思いつきました。
どの村の人々も賛同し、二つの小山を合わせて新しい山をつくりました。
ですが出来た山は汚れた茶色の山でした。その山では茶色の木の実しかとれません。
人々はひどく後悔しました。その後、人々は緑色の山を夢に見ながら貧しく暮らしていきました。
おしまい。